上人橋通り物語 第九話

 

とにかく時間がない。

オープン予定日8月8日❗️

当時はオープン告知はDMを作って送っていたから、このオープン日はずらせないのである。

この日にお店ができていないなんて有り得ないから、余裕をかなりもって決めたはずだった。

途中のすったもんだで大幅に遅れたのである。

土用の節をさけて日にちを決めた。

ごろも8/8で良かったので。

 

5m30のガラスは結局押し切られて

継ぎ目なしの1枚ガラスにした。

岡山の工場で作って特別トラックをチャーターして運んだ。

費用は運送費だけで40万円近くかかった。後から知りました。。。

 

そしてそのガラスが届いたのは

8/5の夜遅くだった。

オープン3日前だった。

 

トラックが店の前に止まり、

冷機屋さん達とウチのスタッフで

運んで取り付けることになった。

 

僕が運ぶ指揮をとった。

「落とすなよ!気をつけてな。ゆっくりでいいから。足元気をつけて!

ゆっくり一歩一歩歩調あわせてな。」

とにかく皆んな緊張してたのを覚えている。

 

ここまで来てまさか落として

割れるとか、有り得ないから。

男性4〜5人いないと、ショーケースに組み込めない。

 

「じゃ、カウンター側とキッチン側に分かれて組み込んでいこう。

ゆっくりでいいから。足元気をつけて!」

 

ドックンドックン心臓がばくついてた。手に汗かいてたのを覚えている。

蒸し暑い夏の夜だった。

 

冷機屋さんも初めてのことなので焦りが少し見えてた。

 

よいしょっとガラスを取り付けようとした次の瞬間。。。

ガチャン❗️と大きな音がした。

一瞬見えなかった。

 

あっ!冷機屋さんがガラス落とした!

 

(写真はその時の写真、淳也専務が白目をむいてる。稲田つぐひろ提供)

 

つづく

店主 八島 且典