「古い水夫」僕が失ったもの、彼が持っているもの、

2020.12.16
八兵衛物語
八島 且典

 

福岡

僕は歳をとった
けれども
商売に対する情熱は今でも失っていないつもりだ。

失くしたものや
少し欠けてきたものはある
それは
勢いや無鉄砲さ
非常識とか
何より自由な発想だ

それを若さと呼ぶのだろう

勢いや
無鉄砲さは
もう手に入らないのだろうと思っていた。

この事態において最も必要で欲しいものであるにも関わらずだ。

ある時
僕の後輩の関口くんが言った
「補い合うって言葉あります」
よく聞くとそれは
両者が足りないところを補い合うことによって何かが成立するのですよと。

その時は良い言葉だなぁと思ってたくらいだった。

今回の
つかんとフクオカはその言葉にヒントを得たというか
後押しされて実現した。

大橋ナオタカ君は37歳
僕からしたら
えっ?それでいいの?ってことが多い。

大橋ナオタカ君にしてみれば僕のそのえっ?がえっ?になる。
お互いの
常識の違い
からくるえっ?なのだ

そもそも日本人の常識なんて世界では全くと言っていいほど通用しないのだし。

僕にないものを
彼は持っている
彼にないものを
僕は持っている
補い合うことができれば
いいんじゃないか

若い人って
その時代を生きるために一番進化した生き物である。

アップデートの最新版とでも言うべきものなのだ。

しばらくは
この大橋ナオタカ君の若さにまかれてみようと思う。

吉田拓郎さんの
歌の一節が本当によくわかる
今日このごろです。

古い船には新しい水夫が
乗り込んで行くだろう
古い船を 今 動かせるのは
古い水夫じゃないだろう
なぜなら古い船も 新しい船のように
新しい海へでる
古い水夫は知っているのさ
新しい海のこわさを

八島 且典