美食の饗宴 – リッツ・カールトン福岡「6ハンズディナー」レポート

ミシュランスターシェフと共に織りなす、一夜限りの美食の饗宴

2025年11月20日、ザ・リッツ・カールトン福岡18階のレストラン「Viridis」にて、グローバルな美食界が注目する特別なイベント「6ハンズディナー」が開催されました。

このイベントは、世界で最も多くのミシュランの星を獲得してきた香港「St. Regis L’Envol」のミシュラン二つ星シェフ、オリヴィエ・エルザー氏を筆頭に、シンガポールにて8年連続ミシュランを獲得した「Viridis」料理長・山中 賢二氏、そして私たち「焼とりの八兵衛」代表・八島 且典の3人のシェフによる、まさに”Six Hands(6つの手)”が織りなす美食の饗宴でした。

 

博多の焼とりが世界基準の舞台へ

この度、世界的なミシュランスターシェフたちと肩を並べ、焼とりシェフとしてこのような栄誉あるイベントに招かれたことは、私たち八兵衛にとって驚きと感謝に満ちた瞬間でした。

フランス料理の最高峰の技術と芸術性を持つシェフたちと同じステージに立てたことは、これまで積み重ねてきた「博多の焼とりを世界へ」というビジョンが、着実に実を結んでいることを実感する機会となりました。

焼とりは日本の庶民的な食文化として親しまれてきましたが、私たちは炭火の香り、素材の選定、串打ちの技術、火入れの精緻さにおいて、決して世界の高級料理に劣らない奥深さと芸術性を持っていると信じています。

今回のイベントは、その信念が世界基準で認められた証であり、博多の食文化が新たな次元へと昇華する歴史的な一夜となりました。

 

九州の恵みとフランスの技法が融合したコース

 

この日のディナーは全9品で構成され、それぞれの料理に厳選されたルイ・ロデレールのシャンパーニュがペアリングされました。

 

オープニングを飾ったのは、エルザー氏による「博多湾 唐泊恵比須かきのポシェ」

「シャンパンゼリー、鰹、フェンネル、りんご西洋わさびのクリームに、キャビアN°2 オシェトラ」を添えた一皿で、Louis Roederer Collectionが寄り添いました。

 

山中シェフは「福岡県産 浅利の茶碗蒸し」を披露。

チーズ、黒トリュフ、フレンチクグロフという和とフランスの見事な融合に、Louis Roederer Starck Brut Nature Rosé 2018が華を添えました。

 

そして山中シェフによる「ヨーロピアンブルーオマール」では、福岡県産みかん根セロリ コラリーヌソースとともに、Louis Roederer Starck Brut Nature Rosé 2018が再び登場し、海の恵みを引き立てました。

 

エルザー氏の「鯖 じゃがいもと蕪のグラタン・ドフィノワ」では、マカレルマスタードとともに、Louis Roederer Rosé 2017が料理の余韻を深めました。

 

八兵衛の焼とりが魅せた瞬間

 

そして、待望の八兵衛のターン。

私たちは「焼き物 季節の野菜」として、トレイに盛られた3種類の肉と季節の野菜プレートを提供いたしました。

フォアグラとサツマイモの串鶏胸肉の串和牛サーロインの串 ―― 炭火でじっくりと焼き上げた串に、エルザー氏が特別に考案したソースが添えられました。

この日のペアリングは、Louis Roederer Cristal 2016

世界最高峰のプレステージュ・シャンパーニュが、炭火の香ばしさと素材の旨味を最高の形で昇華させました。

 

私たちの焼とりは、決して脇役ではなく、フランス料理の精緻な技法と対等に語り合える存在として、この夜の中心的な一皿となりました。

エルザー氏との協働により生まれたソースは、焼とりの新たな可能性を示唆するものであり、博多の伝統と世界の美食が出会う瞬間でした。

 

デザートとフィナーレ

 

山中シェフによるデザート「チョコレートのスフィア」では、巨峰カシス赤ワインのソルベとともに、Louis Roederer Rosé 2017が再び登場し、甘美なフィナーレを演出しました。

最後は「ミニャルディーズ」で締めくくられ、余韻に浸る時間が訪れました。

 

焼とりの可能性、そして未来へ

 

フランスと博多の融合が生んだ、新しい“食の景色”

焼とりは、いまや世界のグルメシーンにおいてひとつのカテゴリーとして認識されつつあります。しかしその中心にあるのは、依然として東京などを中心とした都市部。

そんな中、博多焼とりの魂を担って、世界屈指のミシュランシェフと共演する。

これは決して当たり前のことではありません。

 

八島はイベント後、こう語りました。

ミシュランスターを持つ巨匠シェフたちと同じ厨房に立てたこと。
そして、焼とりが“世界の料理”として同じ土俵に上がれたことに、
心からの驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。

少しずつですが、本当に“博多の焼とりを世界へ”近づいていると実感しました。

 

料理は言語を超える

博多の食文化を世界へ

福岡はアジアと地理的に最も近い都市。
食材の宝庫であり、食の文化発信地でもあります。

この夜提供された皿には、
福岡の恵み × フランスの技巧 × 炭火の情熱
が重なり合うことで、全く新しい価値が生まれました。

会場にいたすべての人が、
焼とりが持つ潜在力の大きさに気づいたはずです。

 

八兵衛は、さらに遠くへ。

私たちはこれからも、国境や業態を越え、
さまざまな形で焼とりの可能性を追求していきます。

  • 福岡で育った食文化を誇りに
  • 職人の技を世界水準に
  • そして“焼とり”という料理を次の時代へ

今回の6ハンズディナーは、その未来を鮮明に示してくれました。

皆さま、これからの八兵衛にもどうぞご期待ください。

そして引き続き、「博多の焼とりを世界へ」という夢を一緒に応援していただけましたら幸いです。

 

参加シェフ・会場の紹介

オリヴィエ・エルザー氏(Chef Olivier Elzer)

香港「L’Envol」(セント・レジス香港) ミシュラン二つ星シェフ

  • ドイツ生まれ、フランス・アルザス地方育ち
  • ジョエル・ロブション氏、ピエール・ガニェール氏のもとで修業
  • 27歳でミシュラン一つ星を獲得
  • キャリアを通じて29個のミシュランの星を獲得
  • 香港マンダリンオリエンタル「Pierre」ヘッドシェフを経て現職
  • 現在、香港「L’Envol」でミシュラン二つ星を維持
  • アジアの食材とフランス伝統技法を融合した革新的料理で世界的評価を確立

https://www.olivierelzer.com

山中 賢二氏(Chef Kenji Yamanaka)

ザ・リッツ・カールトン福岡 副総料理長 兼 Viridis料理長

  • 広島県出身
  • ミシュラン二つ星・三つ星レストランで25年以上研鑽
  • 銀座「ロオジエ」、フランス「Georges Blanc」などで修業
  • ザ・リッツ・カールトン東京「AZURE45」スーシェフを歴任
  • 2015年、シンガポール「RESTAURANT béni」エグゼクティブシェフに就任
  • 2016年〜2023年、8年連続ミシュラン・シンガポール一つ星獲得
  • 2024年10月、ザ・リッツ・カールトン福岡に着任
  • 九州食材とフレンチ技法を融合し、福岡の美食シーンを牽引

https://viridis.ritzcarltonfukuoka.com/meet-the-chef

 

リッツ・カールトン福岡 

https://www.ritzcarlton.com/ja/hotels/fukrz-the-ritz-carlton-fukuoka/overview

レストラン Viridis

https://viridis.ritzcarltonfukuoka.com

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